インプラントと天然歯の違い
インプラントと天然歯の違い
インプラントと天然歯の違いは、大きく分類すると、歯根膜の存在、歯肉線維の方向、血流供給量の3点になります。 それぞれについて見ていきましょう。
歯根膜の存在
天然歯には歯根膜が存在し、かみ合わせの力を逃がすクッションの役目を果たすとされています。
一方、インプラントには歯根膜がないため、歯ぎしりなどの無理な力には弱くなります。
また、歯根膜には知覚神経が存在し、無理な力が加わった時に本能的に回避する能力が発揮されるのですが、インプラントの場合は、このような能力は発揮されません。
歯肉線維の方向
天然歯と歯肉は、歯肉線維でくっついています。天然歯の場合、歯肉の中の結合組織が、セメント質と呼ばれる歯根の部分に入り込んでくっついています。
インプラントは、この歯肉線維が、インプラント体に対して水平に走っているため、歯肉が剥がれやすく、一度炎症を起こすと進行しやすいという特徴があります。
血流供給量
インプラントは、天然歯に比べて血液供給が少ないとされています。
なぜなら、天然歯の場合は、歯肉、骨、歯根膜と3つの方向からの血液供給がありますが、インプラントは歯根膜がないため、血液供給に乏しいとされています。
また、歯周ポケットの内部には細菌と戦う血液成分のひとつである好球中が存在し、ポケット内部に細菌が侵入してもそれを排除しようとする働きがあります。
血液供給が少ないということは、好中球の出現が乏しくなるため、感染防御力が天然歯に比べて弱いと言えるでしょう。