インプラントの失敗症例

インプラントが長続きしない症例について

インプラント治療も万能ではありません。
インプラントが短期間で脱落するなど、何らかの理由でインプラント治療が無駄になるケースもあります。そんなケースをいくつか見てみましょう。

骨との結合不全のケース

インプラントと骨の結合不全を起こす原因としては、糖尿病や喫煙が挙げられます。
5年から10年という長期間に渡ってインプラントの経過観察をしてみると、喫煙している患者様のインプラントの予後は、喫煙していない患者様に比べ、決して良いとは言えません。
喫煙している患者様の歯肉は腫れやすく、インプラント周辺の骨が減少しがちです。

また、インプラント周囲の歯磨きを怠り、食べカスや、歯垢、歯石がついていても、喫煙している患者様は気にならないケースが多いようです。
その対策として、当院では術後一週間は、禁煙をしていただきます。

また、ヘビースモーカーの患者様には、術後禁煙ができるように、術前にコントロールをお願いしています。
時には、禁煙外来の受診をおすすめする場合もあります。

咀嚼力が強すぎるケース

天然歯と同様の自然な咀嚼感こそ、インプラント最大の魅力と言えます。
本来の歯との違いは歯根膜がないぐらいです。
この歯根膜とは、歯根を被う薄い膜のことで、歯を傷つけないようにクッションの働きをします。
そのため、少々強く噛んでもその力は歯根膜で緩和されて歯には負担がかからないようになっています。しかし、インプラントには歯根膜がありませんから、噛んだ力のすべてが人工歯に伝わります。
強く噛みすぎることや歯ぎしり、食いしばりが多い患者様は、その力がインプラントにとって相当の負担となり、それが原因で脱落してしまうケースがあります。

当院では、被せ物を装着した時に噛み合わせの調節を行ったり、定期メンテナンスの際 にインプラントを微調整することで対策します。 また、予防法としては『ナイトガード』と呼ばれるマウスピースを装着し、『歯ぎしり』や『くいしばり』からインプラントを保護する方法もあります。

インプラント歯周炎のケース

インプラント歯周炎とは、歯周病と同様に、歯垢の中に生息する歯周病菌が原因となり、あごの骨や歯ぐきに炎症が発生し、徐々にあごの骨が溶けてしまい、最終的にはインプラントが抜け落ちてしまう病気です。
歯周病と同じ症状が発生するインプラント歯周炎ですが、歯周病との大きな違いがあります。
それは、初期症状が天然歯の歯周病よりも自覚症状に乏しく、炎症がかなり進行しないと人工歯のグラつきを自覚しない点です。
天然歯よりも気づきにくく感染しやすいインプラント歯周炎の予防対策として、当院では定期メンテナンスをしっかり受診していただくようにお願いしています。